誕生日の話にはなりませんでしたorz
何時でも彼女は彼に勝ちたいようです。
「6歳差。ゼンが高校ぐらいの時に私はランドセルを背負ってたってことよね」
新年早々何を言い出したかと思えば歳の差の話だ。コレばかりは何年思っていようが変わることの無い差だ。何かに思い耽る度に彼女の口から言われるが、自分からしてみればこの程度の差は気にならない。
「今回は何が言いたい」
「あのね、ゼンは私より6年も長生きしてるんだから、その分の知識や経験は埋まらないでしょ?どうやっても貴方に勝てないじゃ無い?一生負け続けるのは嫌だし、ゼンに一度ぎゃふんと言わせたい野望があるの!」
早口で捲し立てられだが、内容は咀嚼し直す必要も無いほど安易で短絡で子供染みていて、馬鹿にするより失笑が出てしまう。
「なっ!こっちは真剣なんだよ!?」
「そんなに真剣なら無い頭を使うんだな」
「だから!頭を使っても時間と経験は埋まらないでしょ?」
「お前の理論で俺がCEOの地位を築けるか?」
ピタリと彼女の動きが止まった。
そういうことである。時間と経験値が単純加算な世界は無い。同じ時の流れでも全ては色んなポテンシャルで動き回る。
「私にもゼンをぎゃふんと言わせられる日が来るんだね!」
「お前の努力次第と言いたいところだが、それよりこの前の提出してきたあれは何だ。普通の仕事がまともにこなせるようになってから言うんだな」
『あれ』で伝わったらしく言い訳を並べられるが聞く気は無い。抑も伝わった段階で自分の仕事の評価が多少は出来てるということだ。
(遠くないうちに、驚かされて褒める日が来るのかもしれないな)
彼女に示された未来に口角が上がる。認めるわけにも行かず、小動物のようにキャンキャン吠えてる彼女を引き寄せ、強引に唇を奪い黙らせた。
「貴重な時間をくだらない話に使った分だ」
今のところ彼女に驚かされる心算もないな。
過ってしまった彼女に共有させられた未来に抵抗するように、思考停止して真っ赤になった彼女の唇をもう一度食んだ。

